北空知障がい者支援センターあっぷる

🍎【北空知圏域精神障がい者地域生活支援事業】令和8年度「北空知圏域地域移行研修会」開催報告

令和8年度北空知圏域地域移行研修会で各テーブルにピアサポーターが参加するグループワークの様子 北空知障がい者支援センターあっぷる

令和8年度 北空知圏域 地域移行研修会を開催しました🎉

〜当事者主体の地域づくりを考える学びと対話のひととき〜

令和8年6月29日(月)、サークルハウスふれあいセンター内体育館にて 「令和8年度 北空知圏域 地域移行研修会」を開催いたしました。
本研修は、精神障がいのある方の地域移行(病院から地域生活への移行)と、その後の安定した暮らしを支える体制づくりを目的に実施したものです。

当日は医療・保健・福祉・行政など関係機関より24名が参加し、 会場にはあたたかな学びと対話の時間が広がりました🌿

令和8年度北空知圏域地域移行研修会の会場全体の様子

令和8年度北空知圏域地域移行研修会の開会直後の様子。                   医療・福祉関係者が一堂に会しました。

 

活動・プログラム内容

🎤 開会あいさつ

開会にあたり、北空知圏域地域移行支援協議会 会長 島田 様より開会のごあいさつをいただきました。

🌟 講演①「自助グループの必要性」

ポロノチウの会 代表 志土地 陽一さんの発表

最初の発表は、令和8年4月に発足した北空知ポロノチウの会代表の志土地陽一氏。

自助グループとは、同じ経験を持つ当事者同士が支え合う活動です。

志土地氏からは、専門職には伝わりにくい当事者ならではの苦しみや孤独、 そして「支援を受ける側」から「仲間を支える側」へと役割を広げることの意義が語られました。

会の三大ルールである「守秘義務」「相互尊重」「体調優先」は、 安心して語り合える場づくりの基盤であり、 主体的なリカバリーの第一歩であることが印象的でした。

👣 講演② ピアサポーターによる個別支援

北空知ポロノチウの会による自助グループ発表の様子②

ポロノチウの会 副代表 前田 彩さんの発表

次に、副代表 前田彩氏より、6年間のピア活動の経験が紹介されました。

ピアサポーターは「生活のプロ」として、 指導ではなく体験を通じた共鳴を大切にします。

散歩や買い物といった日常のひとコマを共有しながら、 ゆっくり歩幅を合わせていく支援の在り方が語られました。

 

✨ 講演③ リカバリーストーリー

3名のピアサポーターより、発病から回復までの道のりが語られました。

  • 山下憲男氏:地域とのつながりを取り戻し、16年間再入院のない生活を継続。
  • 土井香苗氏:困難な経験を乗り越え、現在は個別支援にも挑戦中。
  • 秋田道江氏:長期入院とひきこもりを経て退院し、現在はピア活動にやりがいを見出している。

それぞれの語りは、地域で生きる希望と可能性を力強く示すものでした。
会場は深い共感と、あたたかな空気に包まれました。

💬 グループワーク 〜今回の研修を通して感じたこと・気づきの共有〜

各テーブルにピアサポーターが入り、対話を深めました。

参加者は班ごとに分かれ、「司会」「書記」「発表者」を決めて意見交換を行いました。

なお、ピアサポーターはあえて役割に入らないルールとし、 対等な立場での対話を大切にしました。

制度の枠を超えた支援の在り方や、地域の受け皿づくりについて、 各テーブルで活発な意見交換が行われました。

🌿 閉会あいさつ

最後に、北空知障がい者支援センターあっぷる センター長 石塚 秀樹よりメッセージがありました。

「令和8年度 北空知圏域地域移行研修会」に、管内の医療・保健・福祉、そして行政関係者の皆様に多数お集まりいただき、心より感謝申し上げます。

今、日本の精神保健福祉は、歴史的な大きな転換期を迎えています。かつて昭和の時代、当事者の方々は「管理・治療の対象」として社会的隔離を余儀なくされていました。そこから当事者や家族が声を上げ、同じ北海道の浦河べてるの家をはじめとする「当事者研究」や自助の動きが広がり、本人が人生の主役を取り戻す「リカバリー」の思想へと繋がってきた歴史があります。

令和の今、国は「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を推進し、ピアサポートの制度化や、人権擁護・意思決定支援へ大きく舵を切っています。法改正により入院者訪問支援事業が創設されるなど、地域移行への期待はこれまで以上に高まっています。

しかし、現場をお預かりする立場として、私たちは一つの大きな葛藤に向き合う必要があります。制度が整い、専門職化が進む一方で、私たちは知らず知らずのうちに、当事者の方々を「福祉の枠組み」の中に当てはめ、管理しようとしてはいないでしょうか。

精神科病院から地域へ移行する。それは、単に病院からアパートへ住所を移すことではありません。地域の中で孤立せず、ありのままの自分を否定されずに語れる「安全な居場所」があり、横の対等な関係性の中で「社会的処方」としての繋がりを持てるかどうかが、本当の意味での地域移行です。

今回の研修会は、北空知圏域におけるピアサポートの取り組みや、当事者主体の活動を地域の皆様に広く知っていただき、私たち支援者がどのように「制度の枠を超えた、温かい地域の受け皿」になれるかを考える大切な機会となりました。

既存の枠組みに当事者を適応させるのではなく、当事者発の自立的な歩みをリスペクトし、この北空知で共に生きる社会をどう築くか。今回の研修を通じて、皆様と活発な意見交換を行い、これからの実践に繋がる有意義な時間を持てましたことを、改めて感謝申し上げます。

北空知障がい者支援センターあっぷる
センター長 精神保健福祉士 石塚 秀樹

まとめ

本研修は、当事者・支援者・行政が立場を越えて語り合い、「地域で共に生きる社会」について考える貴重な機会となりました。

当事者主体の視点を大切にしながら、 北空知圏域における温かな地域の受け皿づくりを、これからも丁寧に進めてまいります。

📌 開催概要

  • 事業名:令和8年度 北空知精神障がい者地域生活支援事業(地域移行研修会)
  • 主催:北空知障がい者支援センターあっぷる
  • 日時:令和8年6月29日(月)14:00~16:00
  • 会場:サークルハウスふれあいセンター内 体育館(北海道深川市4条18番2号)
  • 参加者:24名(医療・保健・福祉・行政関係者ほか)
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